中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2403回
小さくても長期持続型の株を選んで下さい

3つ目に私が取り上げたのは医薬の素材や食品の添加剤を生産する
常茂生化というバイオのメーカーでした。
全製品の80%が輸出で、国内向けは僅か20%にすぎないことと、
取引先が東レ、味の素、協和醗酵、ナビスコのような
一流有名会社だったことが先ず私の注目をひきました。
しかも2005年度は売上げが50%弱ふえただけなのに、
利益は倍も計上されています。
そんな会社は
いまの中国の工業の水準から見て先ず考えられないことだし、
ましてや化学製品の分野では
思わず目をこすりたくなるような存在だったので、
上海に行った時に私は予め時間をとってもらって、
常州まで企業見学に出かけて行ったのです。

そうしたら予想を遥かに越える立派な工場で、
菜っ葉服を着てのこのこ出て来た董事長さんは
門番と見違えるような威張らない、気さくな人でした。
「どうしてうちの会社がお目にとまったのですか」
ともきかれましたし、
「本当はうちはいまフルスピードで疾走中の会社なんです」
とも耳打ちされました。

そこで日を改めて中国投資考察団と上海邱友会の人を合わせて
バス2台で常州まで工場見学に行きましたが、
その前に本年6月までの半期決算の発表があり、
前年同期比28%しか増益がなかったので、
2.2ドルの株が1.7ドルまで売り叩かれる場面があったばかりでした。
それが工場見学のあと一挙に2.5ドルまで買い上げられましたから、
実際に現地を見た人が
どんな印象を受けたかおわかりいただけます。
いま建設中の工場が稼動してフル生産をはじめると、
年間3億元の売り上げが
2008年には10億元になることは約束されたようなものです。
ですから株価が安くなったら拾いたいと考えている人が
いくらでもいるのです。
そういう会社は中国広しと雖もそんなにたくさんはありません。
従って株価は
今後もかなりの水準を維持し続けると見てよいでしょう。
長期持続型に属する株は、たとえばこの手の成長期に限られます。
みんなによく知られているかどうかとはあまり関係がありません。


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2006年10月8日(日)

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