第2354回
成長株はどうやって見つけたらいいか

これが成長株だと気づいた頃には
その株の値段はかなり上がってしまっています。
それでも成長はまだ続くのですから、
超一流株をジッと持っているよりはずっと夢があるし、
株価の更なる値上がりによって酬いられる可能性もあります。

しかし、もっとスマートな買い方は、
世間に知られる前に自分で成長株を見つけることでしょう。
もしそれができたら、胸もスーッとするし、
お金にありつくチャンスもふえます。
でもこれがなかなか難しいのです。
ちょうど一つのクラスの中で、
将来、誰が一番出世するかを言いあてよ
と言うようなものです。
誰が一番勉強ができるか、誰が一番クラス中で人気があるか、
といったことなら、クラスの担任になって
一週間もすればわかります。
でも誰が将来一番出世して大物になるのかということになると、
その時点では想像もつきません。
それを競馬のようにお金を賭けて言いあてろとなったら、
途端に尻込みしてしまいます。

一番大切なことは将来のお金の流れの中で
その企業と業種がどういう位置にいるかを
正確に把握できることです。
いま人気のさなかにある業種である必要はありません。
むしろいまはあまり注目を浴びていないけれども、
将来、大きな社会的需要があり、
マーケットの大きくなる業種に属しておれば、
株価の安いところから出発するのですから、
メリットはもっと大きなものになります。

次は数字で見ることです。
業種や利益の伸びは２回か３回の決算をみたらわかります。
次に決算後の利益の処分がどうなっているかを見ることも
とても大切なことです。
株主に対する配慮がちゃんとなされているのと、いないのとでは、
株主としての酬いられ方に大きなひらきが出てきます。
利益が前年度の５倍にも７倍にもなっているというのに、
「今期は無配」と平気で発表をする
国営系の企業に投資してはいけません。
自分の出世と地位の保全ばかり頭にあって、
株主のことなど
眼中にない経営者によって経営されているのですから。