中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2345回
外人の不動産投資に政府がちょっかいを

この前、不動産ブームにブレーキをかけるために、
中国政府が先頭に立って
90平米以上のマンションの建設を制限したことは、
経済のわからないお役人の権力を背景にした
よけいなお節介だと申し上げました。
政府がいちいち制限しなくとも、
社会的需要がなければ業者は
すぐにも大きなマンションの供給はやめるだろうし、
逆に社会的需要があれば、政府がいくら制限しても、
2部屋に分けて許可をもらい、
認可が下りてから、
2つを1つになおして使用するに決まっているからです。
何もわからないお役人さんの浅知恵よりも、
市場の動向に任せるのが一番効果的なことは
少々、経済学の勉強をしたことのある人なら
誰でも知っていることです。

たったそれだけのこともわからない人たちが
経済政策を担当しているのか、と思っていたら、
追っかけるようにして、今度は
外国人が中国で不動産を買うことを制限する法令が公布されました。
不動産を買う資金を制限するために
銀行の預金準備率を引き上げても、
不動産投資ブームは一向におさまらず、
30%近い延びが続いているからです。
しびれをきらした当局が遂に
外資による不動産投資にもストップをかけるようになったのです。

これには外国人でなく、
中国の本土の人たちまで
「一体、何を考えているのだろうか」と首をかしげています。
これこそ官僚専制主義の浅知恵で
経済の発展にブレーキをかけている典型で、
もちろん、すぐにも朝令暮改に終わるでしょうが、
それにしても中国政府の国際化が一貫していないことを
内外に公知する悪例と言ってよいでしょう。
何もそこまでやらなくとも、
経済の急成長によってもたらされた
不動産ブームは一段落するところに来ています。
いま建設の続いているビル・ブームや
マンション・ブームは過剰供給によって
投げ売りに入るところにさしかかっているのです。
それに追い討ちをかけるために、
政府が不動産会社をうしろから
もう一押ししているように見えます。


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