第2334回
中国で一番難しいのは集金です
私は中国に行って事業を起すなら、
中国人のやれないことをやれと常々言っています。
中国人の社会に入って、
中国人と同じことをやって勝てるわけがありません。
たとえば中国人と同じものを売って、
中国人よりいい成績をあげることは先ず不可能です。
猛烈な競争にさらされるだけでなく、
お金の回収ができません。
四の五の言ってお金を払わないのが中国人の習性だからです。
電話料だって、ガス代だって、日本では後払いです。
ところが中国ではもうかけてしまった電話の料金を
払えと言っても逃げまわって払ってくれません。
ですから中国ではカードを先払いで買って電話器の中にさし込み、
料金が切れたら
電話もつながらなくなってしまうシステムになっています。
都市ガスにしても、
日本なら「ガスの集金にきました」というのから、
銀行の自動払い込みに変わってしまった程度ですが、
中国では家庭用のガスでもカードを先払いで手に入れ、
それをさし込まないと、ガスが出て来ない仕組になっています。
それだけ集金にお金がかからなくて便利だと思うかもしれませんが、
なかなかお金を払ってくれないお国柄だから、
やむを得ず発明された苦肉の策なのです。
また不動産は中国でも大切な資産であり、
投資も売買も開発も盛んですが、
日本人のゼネコンもマンション・メーカーも
ブローカーもほとんど見かけません。
おったとしても
僅かなコミッションをあてにした小さな業者だけです。
どうしてかと言うと、生産から販売、
管理に至るまで片時も目が離せず、
まばたきをしている間に
お金を抜きとられてしまうような業界だからです。
日本のゼネコンが日本人の依頼者以外の請負いができるほど
甘くないことがわかります。
日本人が中国に行って苦手なことが2つあります。
1つは物を買う時に徹底的に値切ること、
もう1つはワイロの払い方です。
それができるようになれば1人前ですが、
自信のない人は
この2つを避けて通れる仕事を選ぶよりほかありません。
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