第2327回
アスファルトの株のどんでん返えし
このコラムで推奨したわけではありませんが、
前回の上海邱友会の時に、
道路舗装用につかうアスファルトの供給をして、
いまウケに入っている
上海棟華石油という会社の見学に行ったことがあります。
昨年の7月に
香港のGEMに上場したばかりで安値は0.52セントでしたが、
高速道路をはじめ、道路工事の需要にとても間に合わず、
5年度の業績は前年比28.84%の延びでしたが、
利益は2.18倍にもなったので、
一挙に投資家達の注目を浴び、
株価も見る見る上昇をはじめました。
企業訪問を申しこんだところ、
本社が手狭で20名以上は無理ですと返事が帰って来たので、
それならうちのビルからあまり遠くないところなので、
本社を見学したあと
うちのビルの講堂に説明に来てくれませんかと頼んだら、
二つ返事で承知してくれました。
何しろ1月から3月までの第一 四半期だけでも
昨年同期に比べて170%の利益増ですから、
年間を通して同じことが続いたら、
成長株の中でもトップを走ることになります。
しかし、説明をきいていると、
自社でアスファルトの生産をしているわけではなく、
石油精製のプロセスで産出される副産物を
道路工事の少なくなった日本や台湾から仕入れてきて、
工事現場に間に合わせて供給している販売会社でした。
工場もない只の販売会社では、
日本人にはちょっと不安材料に感じられます。
そのことを指摘すると、
いずれは自分たちのやるべき仕事だと考えているが、
いまは需要に応ずるだけでも精一杯なんです
という返事が帰ってきました。
実際、きいて見ると、
アスファルトを輸入したり、貯蔵をしたり、
工事現場まで運ぶだけでもかなりの設備が必要で、
上海付近の広大な地域をカバーするだけでも
そう簡単にはやれないそうです。
その日の説明をきいて
株を買った人も少くはなかったと見えて、
上海棟華の株価は見る見る大暴騰をして、
2.225ドルまで暴騰してしまいました。
ところがそこでドンデン返えしのようなことが起って
これには私もびっくりしてしまいました。
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