中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第2287回
長期持続型の環保銘柄が見つかりました

一口に環保産業と言っても、
私の考えている成長産業でないのがたくさんあります。
汚水処理の現場を見るために
上海の汚水処理工場の見学にも行きましたが、
処理の設備も完璧ではないし、
効率もよいとはいえません。
とりわけ成長率が年に5%ときいて、
すっかり失望してしまいました。
それでも私が水処理の時代が来たと書いているのを見て、
この会社の株を買った人がいたと見えて、
あれから株価がかなりあがっています。
それは早合点ですから、
株価が上がったところをうまく売り逃げて下さい。
いまならまだ間に合います。

環保産業が成長産業であるためには、
先ず政府役人の天下り先でないことが第一条件です。
ほとんどの汚水処理企業は政府の肝入りでできていますから、
企業意欲もないし、採算を考えてもいません。
したがって成長率も低いし、
それぞれの地方に限定されていて
全国的スケールで発展する方向には動いていません。
そこで、私は政府の外郭団体でないこと、
一年に50%ていどの成長が見込まれていること、
また一地方に限られず
全国展開をしていることを条件とした企業を
探がしてごらんなさいと暗示をかけました。
投資家の中にもなかなか研究熱心な人がいて、
「それは東江環保ではありませんか」
と私にメールをくれた人が何人もおりました。
おっしゃるようにいまのところ、
私の目についた環保企業は東江環保一社だけです。
成長率は年に50%には達していませんが、
業績も利益も私たちが予想している通りの上昇を続けています。
しかも本社のある深センだけでなく、
広東省の他の地域から上海の周辺にも手を拡げて
ゴミの処理からメッキ工場の処理、
さては廃棄物のリサイクルにも及んでいます。
多分、廃棄物処理の綜合企業を目指しているのでしょう。
ただ最近は気づいている人も多いと見えて
株価が急上昇しています。
どこが買い時かは
ご自分で判断していただくよりほかありませんが、
長期持続型の銘柄であることは確かです。


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