第2275回
邱家菜をお試めしに陶朱公館に来て下さい
邱飯店のメニューは、東京では味わえなくなりましたが、
何と北京の三全公寓の中にある陶朱公館に行けば、
そんなにたくさんのお金を出さなくても、
気安く味わえるようになったのです。
私が意図して商売としてやらせたのではありません。
地球が勝手にまわって、気がついたら、
邱飯店が北京に出現してしまったのです。
そこで先ず北京を案内する欄で、
「邱飯店のメニュー」をもう一度再現し、
毎回、連載のうしろに、
「邱家菜」という我が家の家庭料理のうちで
陶朱公館で食べることのできる料理を
写真入りで少しづつ紹介するように手配をさせました。
あれは安岡章太郎さんのお気に入り、
あれは開高健さんのお気に入り、
あれは寺山修司さんのお気に入り
と言った我が家の手料理が出てきます。
皆さんも、活字の上で見るだけでなく、
自分の舌で味わいたかったら、
自分で北京までおいでになるか、北京に行ったついでに足を伸ばして
三全公寓の陶朱公館までお出かけになって下さい。
北京は有名な北京料理の本場で、
北京拷鴨(北京ダック)と
涮羊肉(羊肉のしゃぶしゃぶ)の本場ですが、
歴代、北方の野蛮族が侵略して政権を握ったところですから
料理の水準は決して高いとは言えません。
いまは全国から人の集まる大首都ですから、
全国の地方料理の店もたくさんあるようになりました。
でも地方の料理が北京を席巻することには
かなりの抵抗や反撥があります。
現に北京を代表している料理には
「譚家菜」と言うように美食家だった人の名家がついています。
が、北京料理とは銘打っていません。
その前例にならって
北京在住の人たちに気安く馴染んでもらおうと思えば
「邱家菜」と名乗って
北京で認めてもらうのがいいんじゃないかと思っているところです。
この文章をお読みいただいた方は
ぜひ頭の中の片隅に残しておいて下さい。
そして次に北京にお越しになる機会がありましたら、
「邱飯店のメニュー」を味わうために
陶朱公館まで足を運んで下さい。
2人から6人くらいで満足していただけるメニューを
私が幾通りか考えました。
お試めしになって見て感想をきかせて下さい。
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