第2169回
秘書の机は社長と最短距離にあります
私の周辺には目下、
25才から35歳までの青年男女が
たくさん集まっています。
いずれもパイオニア精神のある若者ばかりで、
仕事を覚えて将来、
一国一城の主を目指す野心家ばかりです。
日本と中国では
所得水準に20倍から30倍もの違いがあり、
中国で働くのに日本並みの給料を払うことができないので、
日本とはかなり違う給与でガマンしてもらっています。
「最低生活の保障は僕がしてあげるけれど、
あとは自分で稼ぎ出せ」
というのが私にできるやり方で、
その代わり一日でも早く自分で事業主になれ
と私に尻を叩かれています。
それでもやりたい人が次から次へと現われるのは
やること自体に夢があるからです。
私のそばで秘書をつとめる場合でも、
すぐに夢が叶うわけではありませんが、
私が何を考え、どんな事業に着目しているか、
またその中で自分にやれる仕事は何かを
探がすことのできる位置にいるということです。
かつて私は「社長学入門」
という本を書いたことがありますが、
その本をさる有名な
上場会社の社長さんに進呈する時に、
「秘書が完璧につとまったら、社長になるくらいわけはない」
と添書をしたら、
「そうだそうだ。全くおっしゃる通りだ」
と双手をあげて賛成してくれたことがあります。
完璧な秘書がつとまるためには
社長が何を考えているかわかる必要があります。
いまをときめく大社長の心の中が手にとるようにわかれば、
その通りにやればいいのですから、
社長がつとまるようになるのです。
大会社の社長で社長秘書あがりが多いのは、
氣のきいた秘書は
社長に認められる手近な位置にいるせいもあります。
ですから秘書は単なる使い走りではありません。
秘書がつとまらなければ社長もつとまりません。
というわけで私の秘書をやってみたい人は
どうぞ応募して下さい。
不明なことがあったら、
秘書室長の井口におききになって下さい。
履歴書には写真の添付を、ほかに身上書が必要です。
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