第2072回
中国の変化はこれからの方がずっと大きいのです

外国銀行の中国進出も、
中国の大銀行に対する外国銀行の資本参加も、
着々と進んでいます。
また生命保険業や損害保険業にも
同じことが起っています。
日本人は自国内における大企業が
日本人によって運営されているか、
外国企業によって運営されているかを気に病みますが、
中国人は外国人によって運営されていても、
国内の法規を守り、
ちゃんと税金を払っておれば、
どちらでもいいと思っています。
自国の人が持っていたとしても、
どっち道、自分の物でないことに
変わりがないのですから。
そういう意味では日本人の方が
団結心が強いとも言えますが、
心理的なグローバル化が
遅れていると言うこともできます。

しかし、中国人の方が
気が小さいところもたくさんあります。
半世紀にわたって
共産主義の洗礼を受けたせいもありますが、
中国では思想教育で
外国人の影響を受けたくないという気風が
いまだに根強く残っています。
そのせいか、媒体とか教育産業の分野では
なかなか外国人に扉をひらきません。
たとえば技術教育や専門教育の分野でも、
外国資本による営業許可は後廻わしになっています。
なかでも新聞、雑誌、テレビなどのマスコミは
中国人によって運営されている場合でも、
自由主義の国の人には
理解に苦しむようなきびしい言論統制をとっています。
したがってこの方面の進出は
最後尾におかれると覚悟しなければなりません。

しかし、マスコミの手段が次々と発達して
言論の統制がいよいよ困難になったのと、
中国の場合は統制をする政府の考え方にも
少しずつ変化が生じているせいもあって、
言論の自由や集会の自由は
かなりタガがゆるんできました。
一番最後にまわる覚悟はしなければなりませんが、
ジャーナリズムに対する統制に大きな変化がきた時は、
中国が日本を抜いて
繁栄への道を大きく歩みはじめた時と考えて
間違いありません。
そこに到るまでの間に、
中国はいま私たちが頭の中に描いている中国よりも
ずっと大きく変わっていると思ったら
先ず間違いありません。


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