第2030回
政治も古い体質からの脱皮が必要です
では自民党と民主党と
どちらが古い体質かというと、
自民党ではもっと身動きができない感じがしませんか。
途中で離合集散がありましたが、
一つの政党が半世紀にわたって
政権を担当してきたということは、
日本の国がクリエィティブなエネルギーの余力で
走り続けていると見られても仕方がないですね。
とりわけオヤジが走ってきたあとを
ムスコやムスメがバトン・タッチして
走り続けているのが自民党です。
世襲制がみな悪いわけではありません。
ただあまりに多すぎます。
如何にも徳川の昔にかえってしまった感じです。
それに比べると、経済界は変化がめまぐるしいので、
バカ息子では持ちこたえられません。
創業者社長の会社で、
いくら親が息子に後を継がせようとしても、
「その器にあらず」ということになると、
創業者が死んだ途端に
息子の方が追い出されてしまいます。
相続の段階で多額の相続税を召し上げられて、
次の世代の持株が激減することも影響しています。
ところが、選挙の地盤を相続した場合は、
何票までは何割という無効票制度がありません。
法律をつくる当人たちが
そういう法律に賛成するわけもありませんから、
子供がいないために御家断絶にならない限り、
藩主の世襲制は復活する方向にあります。
そうした世襲制の総本山が自民党ですから、
平成御一新があれば、
ひとたまりもないということです。
その点、民主党は烏合の衆ですが、
血統を看板にできない新入りが
次々と集まってきます。
次に選出された代表も無名の新人ですから、
自民党がぶっつぶれれば、
次の番がそちらにまわってきます。
「あきらめるな」というスローガンも
民主党が自分たちを慰めるために
言っている言葉だというのなら、
私にもよくわかります。
この調子で行けば、
次の選挙になるまでの間に、
自民党にゴタゴタが起って、
古い体質が一挙に選挙民の目の前に
露呈されることがないとは言えません。
とにかくいまのままでは
グローバル化の時代に対処できないことは
はっきりしているのですから。
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