第2016回
中途半端な起業の誘いに乗るな

チェーン店のフランチャイジーは
サラリーマンを辞めて
独立自営の道を歩みたい人にとっては、
一見、とても魅力的な存在です。
上司に言われたことを
言われた通りこなせばすむ仕事に慣れた人は、
自分で仕事を見つけろと言われても、
なかなかこれは
という新しいビジネスが見つかりません。
假りに見つかったとしても、
人のやったことのないビジネスが
はたして採算に乗るのか、
心配になってしまいます。

その点、既に実績のあるチェーン店で、
株価も世間の評価の高い会社なら、
店を経営するだけの資金があって、
ロケーションを間違えないで、
且つ夫婦が力をあわせて働く気があれば、
もう成功間違いなしという気になってしまいます。
しかし、蓋をあけて見ると、
新規につくられる店のかげにかくれて
それに負けないくらい廃業をしたり、
訴訟にまで発展した店が姿を消しているのです。

どうしてかというと、
このくらいの客が入り、
このくらいの売上げがあるだろう
という予想に達しない店もあり、
いざ意見が食い違ってくると、
色々と制限があって
店を任せられている側の
思い通りにならないことが多いからです。
契約をする前に契約書を詳細にわたって
読んでいない人が多く、
あとになって悔んでも間に合わないのです。

考えて見れば、
人があれこれ工夫してつくったビジネスの
手先をやっているにすぎないのに、
自分がお金を出したから
自分の店だと思うのは早合点というものです。
自分でやればいい仕事を
惜し気もなく人に分けあたえるのは、
自分で人をやとってやるよりも、
骨身を削ってやってもらう方が
能率があがると考えているからです。
どうせ脱サラを決意したのなら、
人のフランチャイジーといった
中途半端な話に乗らずに、
自分で考えてやるもやめるも手直しをするのも
自分の意思で決められる仕事を探がして下さい。
お金を出して人の家来をやるくらいなら、
お金を出さずに家来だけやった方がましです。


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