第2010回
若づくりは抵抗なく着こなす方が大へん
夏でもちゃんとセビロを着て
出勤をする私でしたが、
この1、2年、
ジャケットを崩したような上着を羽織って旅に出たら、
行く先、行く先で、お世辞でしょうが、
「おしゃれですね」とか、
「いいカッコですね」と言われました。
そう言えば、サラリーマンが出勤する時は別ですが、
カジュアルなカッコでかまわない時は
軽装ですませる人が多くなっています。
しかもそれがおしゃれと受けとられているようです。
ならば、こちらも思い切って
ラフなカッコをしようかと考えるようになって、
ことしの夏、私は4つのデパートで
ジャケットを10枚ばかり買い込みました。
メーカーの詳細は次の通り。
先ずクリッツァ×1枚、ジョーン・ヴァルヴァトス×2枚、
スコッチハウス×1枚、ドルチエ×4枚、
コムサデ・モード×2枚、五大陸×2枚、ライカ×1枚、
そのうち黒が3枚、白が4枚ですから、
白と黒のコントラストで
ジャケットとパンツを穿くチャンスが多い
ということになります。
そのためにベルサーチの黒と白のジーパンも
1枚ずつ買いかえました。
これもいま一緒に仕事をしている
若い人たちの服の着方からヒントを得たものですが、
いまの若い人たちは
黒いVネックとか白いVネックで
1枚5000円も1万円もするようなアンダーシャツを
肌に密着したカッコで、
その上にジャケットを羽織るんですね。
襟なしを着ないで、
ワイシャツを着る場合も、
私のように英国屋の仕立てなんか着ないで、
柄模様を織り込んだ白地がハヤリだとか。
1万何千円もして
若者には結構負担になりますが、
中年の収入で若者のカッコをするのなら
おやすい御用です。
それでも若者の着る肌着が、
中年の着る肌着の何倍もの値段をするのを知って
びっくりしました。
それらの下着をジョセフとかアルマーニも含めて
20何枚も一ぺんに買ったと思います。
さあ、これで若さにしがみつく用意は整いましたが、
中高年層がそれを嫌味なく着こなすのは
とても大へんです。
何しろ髪毛は眞っ白な上に
頭のてっぺんにはもう髪がないのですから。
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