第1964回
気前よく配当をする会社を選んで下さい
私が見ていると、
中国株の中で利廻わり採算に乗る株が
かなりふえてきました。
もっとも昨年の配当率を
いまの時価で割るわけですから、
時価は間違いないとしても、
今年の配当率が昨年と同じとは限りません。
そもそも株価が下がってきたのも、
今年の方が昨年より
経済環境が悪いという思惑が働いているからです。
もし、その通りの動きになるとしたら
利廻わりも悪くなることを
覚悟しなければなりません。
でも、はたして悪くなるのかどうか、
実際に起ってみなければわかりません。
全体が悪くなるとしても
業種によって逆によくなるケースも考えられます。
とりわけ人民元が切り上げられたり、
貿易摩擦を軽減するために
輸出にコーター制がひかれたりすると、
繊維製品や家電製品に不利に働きますが、
国内消費が依然として旺盛であれば、
原料や素材を輸入に依存している業種は
逆に有利になることが考えられます。
日本の新聞が報導しているような
悪い話ばかりではありません。
既に工業化が勢いに乗って上昇をはじめると、
国内消費のふえる分だけで
景気に拍車がかかりますから、
増産体制の整った石炭とか鉄鋼とか
あるいは海運や石油化学などに
はたしてどれだけブレーキがかかるのか。
四半期ごとに各企業の業績発表がありますから、
7月から8月にかけて
前半期の動向に注意しておれば、
依然好調が続く企業と
かなり深刻な影響を受ける企業に分かれるのが
はっきり見えてきます。
電力のような石炭の値上がりによって
コストを圧迫されている業種でも、
依然、好調が続き、
ことしの配当が続くものがありますから、
株価の値下がりした分だけ
株を買う人には有利な環境になっているのです。
株はみんながソッポを向く時に買うもので、
いよいよこれから頭の中が
忙しくなるシーズンに入ります。
中国株の選択をする時、大切なことは
気前よく配当する癖のある会社の株に
注目することです。
ケチな会社はお金を儲けても損をしても
お金を出ししぶる癖があらたまらないものです。
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