第1962回
釣りをするなら魚のたくさんいる所で
株式市場は
産業界が必要な資金を調達する場であると
説明されていますが、
儲けをちらつかせて
人々のふところにあるお金を釣りあげるのですから、
本当はどちらが釣師で
どちらが魚かわかったものではありません。
しかし、お金を集めて仕事に投じて
予定通りお金を釣りあげたら、
株主にもそれなりの分け前をくれるのですから、
株主は釣師に餌を提供して
その報酬を得ていると見ることもできます。
集めた餌で予想通り、
もしくは予想以上に魚をたくさん釣りあげれば、
株価がそれを反映しますから、
株主はそれなりに酬いられます。
こうした動きは
日々の株価に反映されます。
それを先廻わりして売ったり買ったりすれば
短期間に儲けたり損したりします。
昨日買って今日売るような短期勝負は
産業界にとって何のメリットもありませんが、
そうした寄生虫はどこの世界にも生棲しています。
そうした投機資金がうごめくことも考慮に入れて
どうすれば投資した資金をふやし、
且つ個人の財産を維持して行けるのかを考えるのが
個人投資家の株式投資なのです。
産業界が年々成長し、
株を上場している会社の利益が
ふえていく方向にあれば、
分配できるパイが大きくなりますから、
ポヤポヤしている株主でも
分け前にあずかるチャンスはふえます。
しかし、将来を悲観して株価が下がる場合でも、
先に売っておいて安くなってから買い戻せば
お金は儲かりますから、
下げの場合もチャンスがないわけではありません。
ただそうした曲芸に属する離れ技は
プロ中のプロでないとやれませんから、
シロウトの株式投資は
産業界が発展過程にある地域に限ると
私は口を酸っぱくして言ってきたのです。
それも昨日買って今日売るような
短期勝負ではなくて、
会社の発展と運命を共にするようなやり方でないと
うまく魚は釣れません。
そうした最有力な漁場は
中国株であることは過去10年もそうでしたが、
これからの10年も
恐らく変わりはないと思っています。
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