第1947回
日本の次のブームは健康レストラン
日本の飲食業の場合は
食費の節約をすることに
節約疲れが出てきたこともありますが、
老齢化が大へんな勢いですすんでいることが
人々のお金の使い方に影響している面もあります。
年をとりはじめると、
身体のあちこちに故障が起ってきますから、
人々は先ず健康に気をとられるようになります。
老後のためにお金を残すよりも、
病気をしないためにお金を使うことを
優先するようになります。
いくらお金が大切だと言っても、
病気になってお金だけ残ったのでは
何の意味もないからです。
近頃、健康食品――というよりも、
薬品に近いような栄養剤が
大へんなブームになり、
そうした食品を売っている会社が
目を見張るような業績をあげ、
高い株価をつけているのを見ても、
お金がどこに流れているかがわかります。
癌や糖尿病にかかわる新聞広告も滅法ふえたし、
デパートの健康食品売り場に
人が集まるのを見ても、
単純な食文化の変更だけではなくて
社会全体の老齢化を反映していることがわかります。
恐らくあまり遠くない将来に、
オフィス街やデパートの中に、
それぞれの病気を持った人向けの健康レストランが
店びらきするのではないかと思いたくなるほどです。
健康食品ブームは
今後も成長し続けるでしょうが、
健康と食べる物との因果関係に
人々がもっと関心を持つようになることは
間違いありません。
すると、人々の関心がもっと
漢方的な物の考え方に近づくことになります。
食べ物の中から病気に効く成分だけを取り出して
錠剤にして口に入れるよりも、
食べ物の中でどんな食べ物を食べて
身体のバランスをとるかという方が
ずっと自然なやり方だからです。
たとえばカスピ海ヨーグルトに
関心を持つご婦人がふえていますが、
次はダッタンそばがいいよ、いや、黒豆がいいよ、
と次から次へと食品の中で
健康にいい物がブームになることが予想されます。
即効はないかも知れませんが、
食べ物で健康の調整をすることが
ブームになることは目に見えています。
そういう視点で
次のレストランブームをとらえるのは、
いかがでしょうか?
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