第1843回
日僑によって中国はこれからが本舞台
中国人にとって
大金持ちになるチャンスの多いところは
東南アジアでした。
いまでもタイやマレーシアやインドネシアで
経済を牛耳っているのは
ほとんどが華僑と呼ばれている人たちです。
ついでアメリカが最大の目標に変わりました。
しかし、アメリカは
世界中の食いっぱぐれが集まってきたところですから、
ハングリー精神を持ったのは
華僑とは限りません。
それぞれの生まれ故郷を異にした
冒険家のオリンピック競技場のようなものですから、
それぞれの特長を丸出しにしたゲームが展開されます。
華僑が全く成功していないとは言っていませんが、
いい環境は必ずしも
最高の成果をもたらすところではないことは、
東南アジアに進出した華僑と比べて見ると
よくわかります。
日本人にとっても、
多分、同じだと思います。
外国に出稼ぎに行く人を
中国人は僑客と呼びます。
外国で働く中国人は華僑、
外国で働く日本人は日僑です。
アメリカに行っている日本人も日僑なら、
中国に出稼ぎに来ている日本人も日僑です。
日僑にとってもアメリカは
居心地のいいところかも知れませんが、
大をなす環境ではありません。
日本人が自由に行けるようになってから
既に半世紀あまりたちましたが、
残念ながらそう頭角を現わした日本人は見当りません。
中国もやっと
これからというところにきましたが、
日本人にとっての環境や条件は
中国人が東南アジアに出かけて行った時と似ています。
華僑の成功者が天秤棒1本からはじめて、
ハダシでロールス・ロイスに乗れるようになったように、
日本人がドライバーを1本持って
中国に出かけて行って
一家をなすことができるかどうかは、
これからお手並み拝見というところです。
もっとも「ドライバー1本」と言っても、
「手に職をもって」というほどの意味です。
ドライバーのほかに
元手にする多少のお金も持っていますから、
ハダカ一貫ということではありません。
無いところから付加価値を生み出す才能を
実績として日本人は持っていますから
そうバカにしたものではありません。
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