第1789回
「蛇が象を呑み込むニュース」は暫く続きます
ロシアの政府までが
石油を中国に売ることを条件に、
石油会社の株を買収する資金を
中国の石油会社から借りる話が
いま話題になっています。
ここのところ、
中国のコンピュータ大手の聯想が
IBMのパソコン部門を莫大な金額で買収したり、
中国の鉄鋼会社が
オーストラリアの鉱区をまるごと手に入れたり、
いずれも「蛇が象を呑み込む」ような話ばかりです。
いくら上場会社と言っても、
政府の後押しがなければ、
とてもできる商談ではありません。
逆に言えば、外貨減らしのために、
政府が積極的に
海外投資を推進しているということであり、
このままの状態が続けば、
世界の資源が中国の支配下に入ることも
そんなに遠い将来のことではなくなってしまいました。
というのも、
昨年だけで中国の外貨は
2000億ドルもふえています。
その中には海外からの投資資金と
人民元の切り上げを見越した投機資金も
含まれておりますが、
その圧力をできるだけ分散するために
とられている措置の一つです。
しかし、かなり大胆な対策をとっても、
やがてそれに耐えかねる時期は必らず来ます。
一旦ふえはじめた海外資金の流入と
貿易収支の黒字は減るどころか、
加速化に勢いがつくことは
避けられないからであります。
こうした動きに個人が相乗りしようと思えば、
僅かなお金であっても人民元に換えるか、
人民元で評価される資産を買うか
ということになります。
人民元に換えると言っても、
人民元の定期預金をするだけでは
如何にも知恵が足らなさすぎます。
中国の不動産を買うか、
中国株を買うかということになりますが、
昨年のはじめに人民元が
5〜6%切り上がるという噂が立っただけで、
香港の中国関連株が
一せいに値上がりしましたから、
中国株にそれだけのヘッジ効果があることがわかりました。
ことしはそうした可能性が一そう強くなりましたから、
日本だけでなく世界中の資金が
中国株に集まってくることが予想されます。
中国株熱は一そう燃え上がることになるでしょう。
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