第1747回
投資は通貨の弱い国より通貨の強くなる国が有利
円高がはじまった頃、
日本は景気もよかったし、
土地や株も高かったので、
私たちはアメリカでも同じことが起るだろうと考えて、
ロスやサンフランシスコで
アパートを買おうと思い立って、
1年に何回もアメリカに行ったことがあります。
日本から円をドルに換えて持ちこんでも
為替相場に影響されたら何にもならないと考えて、
現地で借りられる分は
なるべく現金で調達しようと考えました。
ところが、アメリカの金利がとても高く、
確か13%だったことを覚えています。
日本が5%か6%だったので
本当は日本で借りて持ち込みたかったのですが、
円高になって返せなくなることを心配したので、
結局、半分だけ借りることにしました。
2年ほどたって少し値上がりをしましたので、
買った建物を売って、
銀行の借入金を返済したところ、
何割か利益がでました。
ドルで買ってドルで儲けたのですから、
利益に対してちゃんと所得税を
払わなければなりません。
それを払って残りを日本円に換えたところ、
円高が進んでいたので、
ほとんど儲けが出ませんでした。
うっかりすると、逆ザヤになりかねませんから、
国際間の投資は為替レートの変動も
ちゃんと計算のうちに入れておかないと
ひどい目にあってしまいます。
当時、旅行の世話をしてくれた
ロスの旅行社の日本人の社長さんと
親しくなったので、話をきくと
ドルで銀行に預金をしていると言います。
私はびっくりして
「すぐに円に換えて日本の銀行に円で預けなさい」
とすすめました。
その人は私のことを信用していたので、
すぐ私の言うとおりにしたら、
あッという間に円高になって、
3千万円ほど為替差益が出ました。
本人が思ってもいなかったことだったので、
とても感謝されましたが、
国際間に投資をする場合は
通貨の弱い国から通貨の強くなる国に投資するのが
一番採算に会います。
いまで言えば、ドルから人民元への投資、
ついで日本円から人民元への投資と言うことになります。
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