第1729回
商売替えをする用意はできていますか

もうそろそろ商売替えをしなければ駄目だ
と感じている人はたくさんいると思います。
でもいざとなると二の足を踏む人が
その大半を占めています。

やめても次に
何をやっていいかわからないということもありますが、
いまの商売をやめると
整理をするだけでも大へんで、
財産の大半を失ってしまう心配があるからです。
先ず使っている人を辞めさせなければなりません。
それから在庫を整理しなければなりません。
いつか売れる在庫であれば、
仕入れ値段で評価をすれば間に合いますが、
在庫の投げ売りとなれば、
二束三文になってしまいます。
なかでも一番困るのは
未収よりも未払いがたくさん残っていることです。
既に手形を切っている場合は
銀行に残がないと不渡りになって
銀行の取引を停止され、
実質的に倒産してしまいます。

ですから人間は誰でもまだ僅かでも収入があって
何とか食いつなぎができている間は
最悪の日を先に延ばそうとします。
問題がそれほど深刻でない場合は
もっと気がゆるんで、
ピンチを切り抜ける事の重大さを
つい忘れがちになってしまいます。

「治にいて乱を忘れる勿れ」と言いますが、
本当はふだんからこのままで大丈夫なのかと
反省する必要があります。
私の場合は、
銀行からお金を借りてビルと建てた場合、
万一、約束通りお金が返せなくなったら
自分の家も売り払わなければならないと覚悟を決めて
ビルの一角に自分たちの家族が住めるように
トイレの隣りにシャワーの用意までしました。
コイン・オペのドライクリーニング屋をつくるために
商店街に店を買った時は、
店の2階に住めるように部屋の用意をしました。
また年をとったらデパートの隣りに住もうと考えて
渋谷の西武デパートの隣りに
マンションを買いましたが、
いまのところまだ
これらの部屋に住むことにならずにすんでいます。
でもいつでもそうした心の準備をして
今日に至っていますので、
商売替えをする覚悟はいくつになっても
いつでもできている積りです。


←前回記事へ 2004年12月3日(金) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ