第1651回
お金の回収が難しい程ビジネスチャンスはある
北京や上海のような大都会で
目下、カードを使う人が急速にふえています。
銀行からこの人なら大丈夫だと
信用されている人だけに許された特権なのでしょうが、
普及しはじめたらそのうちに
不良債権化することは避けられなくなる日がきます。
サラリーローンとカードの使いすぎは
文明社会の泣きどころですが、
中国の銀行がこれからどういう対策をとるか
お手並み拝見と言ったところでしょうか。
私たちの持っている外国銀行のカードは
ホテルや一流レストランでは使えますが、
中国銀行が中国人向けに発行したカードしか
使えない店もたくさんあります。
私は住宅ローンが普及しないと
皆が家を持てるようにならないだろうと
10年も前から銀行の近代化を
アドバイスしたことがありますが、
一旦、制度化されると、
それを濫用する動きも見られます。
銀行間の横の連絡ができていませんから、
資格のない者は
住宅ローンを利用できませんが、
利用のできる者は
一人で5件も10件も買うことができます。
住宅ローンは買った家が担保に入っていますから、
いざという時は競売に付して
元金を取り戻すことができるでしょうが、
自動車ローンとなると
中古車は不良債権化するおそれがあります。
しかも担保物件が動くものだけに
乗り逃げされる心配もあります。
生き馬の目を抜く中国人の社会で
お金の貸し借りが発生する商売は
よほど慎重に対処しないと、
たちまちこちらがピンチに追い詰められてしまいます。
このことは中国でのビジネスは
とても難しいということにほかなりませんが、
でもこの難しい環境の下で
中国じゅうの人が商売をやっているのですから、
自分だけお手上げということでは
言い訳になりません。
逆に言えば、この難しい環境の中でも
ちゃんと立派に商売が
やって行けるだけのシステムを確立すれば、
いくらでもやれる商売はあるということになります。
日本から進出したメーカーや
中国相手に市場開拓をしたがっているメーカーが
そういう会社にいくらでも
話を持ちかけてくるからです。
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