第1631回
為替レートでサラリーを比較しないこと
この間も新聞に出ていたことですが、
為替レートだけで換算して
多国籍間のサラリーの高い低いを論ずるのは
正しいとは言えません。
たとえば、假りに1ドルが100円として、
日本のスーパーで売っている物と
アメリカのスーパーで売っていてる物の値段を比べると、
日本の物価は大体、
アメリカの倍になっています。
従って生活費で比較すると、
日本はアメリカの倍かかりますから、
アメリカで1000ドルの収入のある人は
日本で2000ドルの収入のある人と
同じ生活をしていることになります。
もちろん、
家賃と食料品では違いがありますし、
同じ食料品でもその土地でたくさん生産されるものと
そうでないものとでは
値段にひらきがありますから、
そう簡単に算出できない面もあります。
しかし、一般に平均サラリーの高いところは生活費が高く、
低いところは物価も安いのが普通ですから、
中国大陸の30倍のサラリーをもらっている日本人の方が
中国人より30倍いい生活をしている
ということはございません。
もしかしたら、中国に住んで
中国人の平均所得の5倍も収入があったら、
日本で生活しているのと同じ生活が
できるかも知れないし、
やり方によっては
もっと余裕のある生活ができるということも
考えられます。
中国に行って日本人が
中国人と全く同じサラリーしかもらえない
ということは先ずあり得ませんが、
働きによっては
5倍も10倍も払ってくれる雇主が現われます。
どうしてかというと、
日本人の方が蔭日向なくよく働くし
また中国人では考えつかないような働き方を
してくれるからです。
日本の事務のレベルは中国より少し先を行っており、
未経験の若い人でもそういう雰囲気に育っているので、
一歩先を行く気のきいた働き方をするからです。
もしそうだとしたら、
日本の若い人が
中国で働く舞台はかなりあります。
セールスやサービスの分野でも
中国人に負けることは先ずありません。
つい最近になって
私がやっと気のついたことですが・・・。
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