第1626回
国境の障壁が驚くほど低くなりました
私のお金はどこの国に行っても
外国から投資されたお金としての扱いを受けてきました。
その土地に住んでいない場合は
非居住者としての税率を適用されて
あとは本人の手元に残ります。
日本に住所があると、
海外の収入も全部申告をして
総合所得税の対象にされますので、
海外で収入の多い人は不利になります。
海外でやる仕事がふえて、
事業の内容が世界的スケールになる見込みのある人は、
日本の非居住者になる必要が起ってきます。
非居住者とは1月1日に住所が日本国内にないこと、
1年の半分以上を海外で暮らしていること
ということになりますが、
これだけ日本人の活躍舞台が世界的スケールになれば、
非居住者になる日本人は今後、
益々ふえることが予想されます。
しかし、駆け出しのペイペイで、
はじめて海外に出る若い人が
そんな先の先まで心配する必要はございません。
どこの国も海外からの投資を受け入れるのが先で、
就業する人の受け入れはそれに伴う業務なので、
外国に居住するには
色々と難しい条件がつけられました。
外国に移住する人は
言語や風俗習慣の違いだけでなく、
さまざまの法律や規制を押しつけられたので、
誰もが国境の高さに先ず驚き、
とても緊張しました。
しかし、ここへ来て
とても大きく変わったことがあります。
国境を越えて往き来する人が
急速にふえたこともありますが、
工業の生産基地が
国際的に急速に移転するようになると、
いままで人の動きを厳しくチェックしていたのが
大へんな勢いで緩やかになったことです。
発展途上国から先進国に出稼ぎに行くことに対しては
依然としてきびしい制約がありますが、
先進国から発展途上国への移住は
中国も含めて信じられないほどスムーズになりました。
簡単な話、賃金の高い日本から
中国へ出稼ぎに行くことは、
国境が一挙に取り払われてしまったも同然と言っても
言いすぎではありません。
賃金の高い国から賃金の安い国に
出稼ぎに行く人はいないと
見縊られているからです。
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