第1584回
値切る買物も旅の楽しみの一つです
私たちを案内する現地のガイドさんは
私たちの旅行を請け負ってくれている
日本の旅行社から
お土産物屋に案内しないよう
予め厳しく言い含められております。
ですから全行程を通じて、
高速道路の売店のような
トイレのあるお土産物屋以外に
立ち寄ることはほとんどありません。
しかし、そのために
土地の名産品にふれることなしに
立ち去るようなこともしばしば起ります。
たとえば、ウルムチは回教圏であり、
中近東までずっと同じ文化の影響下にありますので
食事も豚肉を食べない清眞料理なら、
家の中に敷く絨毯も
ペルシャの伝統が色濃く残っています。
ウルムチには新しくつくられる絨毯のほかに
古いペルシャ絨毯も売っているときいたので、
ガイドさんに絨毯屋に案内しろと言ったら、
本当に案内してよろしいのですかと
目を白黒させていました。
お客さんの私たちが注文しているのだから
大丈夫だと言ったら、
もしかしたら
リベートが稼げるかも知れないと考えなおして
喜び勇んだのはいいけれど、
絨毯屋がどこにあるか正確なことも知らないのです。
きっとフツーの観光客で
絨毯を買う人など滅多にいないのでしょう。
私があちこち歩きまわった経験で、
絨毯屋があるとしたら、
大巴雑(大バザー)の1階の人通りの多いところではなくて、
エスカレータを上がった
2階の片隅にある筈だと見当をつけて、
2階に上がったら、
ないどころか、一並びがすべて絨毯屋でした。
残念ながら古い絨毯にロクなものがありませんでしたが、
新しい手織りにはちょっとした物がありました。
問題は観光客と見て
吹っかけてきた値段に
どう対処するかということでしたが、
6500元と出てきた値段に、
2000元と値をかえしたら、
四の五の言いましたが、
こちらが譲らないことがわかると、
2000元でオーケーになったのです。
安い買物と思いましたが、
もしかしたらもっと値切れたのでは
という憾みは残りました。
でもこうしたやりとりも
旅の楽しみの一つに数えてもいいでしょうね。
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