第1575回
超一流のソムリエなら別だけど

明治以降、洋化の波は
日本が中国より一足先に受けています。
ですから憲法の採用も軍隊の近代化も
日本がアジアの先端を切り、
いち早く諸列強の中にもぐり込んで、
侵略される側よりも
侵略する側の行列に加わったのも日本でした。

敗戦によって日本の軍事力は崩れましたが、
近代文明をとり入れて
先端を切る日本の姿に変わりはありません。
政治や社会制度だけでなく、
衣食住についても日本は輸入とその消化に熱心ですから、
簡単な話、コカコーラからマクドナルドに至るまで、
アメリカナイズは日本が一歩も二歩も
先に普及しています。
と同時に、日本人は腹の中で
アメリカの成金文化を
軽蔑しているところもありますから、
西洋料理の勉強をするのに、
アメリカに行く若い日本人は
全くと言ってよいほどありません。

ヨーロッパでは
料理人の社会的地位が高く評価されているので、
同じ修行に行くのなら
日本人はフランスに行きます。
ソムリエの勉強にもフランスとか、
ベルギーに行きます。
それが一通り飽和状態に達したところで、
今度はイタリア料理のブームになりました。
イタリア料理はフランス料理のように
気取ったところがなく、
日本人や中国人の気性と
一脈も二脈も通ずるところがあるせいかも知れません。

料理屋稼業にとって料理ももちろん大切ですが、
表方のお客を接する仕事も負けずに大切なものです。
昔はフランスの3つ星のレストランに行くと、
料理の修業に来た日本人をよく見かけましたが、
最近は表方にも
よく日本人の姿を見かけるようになりました。
日本人がソムリエのチャンピオンになったりして、
ソムリエの社会的地位が
一般の人たちにも認められるようになったからでしょう。
現に日本にもソムリエの学校ができたりして
入学する人も少くはないようですが、
実際はソムリエの資格をとって
働く場所があるかということになると、
ソムリエをおくことの出来るレストランは
そんなに多くはありません。
ソムリエという職業を選んで
「しまったなあ」と思っているソムリエは
少くないと思います。


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