第1572回
株価が戻るには時間がかかりそうです
中国の宏観調控(金融引締め)は
いつまで続くとごらんになりますか。
判断を誤るとジリジリするだけですから、
投資家にとって精神衛生上、よくありません。
ことしの第一、四半期の経済成長率が
9%に乗った途端に、
中国政府は金融引締めに乗り出しました。
投資の過熱化を思い切って抑えないと
折角の経済成長が
ソフト・ランディングできなくなると
判断したのです。
そのこと自体に大きな間違いがあるわけではありません。
問題はどこまで抑え込むか、
どんな抑え込み方をするのか、
またどこで手を放すか、ということです。
私たちは中国の経済政策の
当事者ではありませんから、
意見を述べる立場にありません。
私たちにできることは、
中国の当事者は何を考えているのか、
何を指標としてどこで新しい手を打つのか、
推量するくらいのことですが、
たったそれだけのことでも
私たちのふところ具合には
大きくひびいてしまいます。
いつまで待てばよいのか、
どこでナンピンをかければよいのか、
対応が変わってしまうからです。
私の見るところでは、
中国の政策担当者たちはかなり自信満々です。
同時に強い権力を持っています。
それだけに間違いを起すと、
こちらがひどい目にあわされますが、
その代わりさまざまな雑音に悩まされないで、
政策を遂行することができる立場です。
本格的な金融引締めがはじまって
まだ3ヶ月もたっていませんが、
はっきりとその効果が見えるまで
手綱をゆるめることは先ず考えられません。
したがって投資家たちの希望的観測に反して
この金融引締めはかなり長く続くことが考えられます。
あまり長くやると、
景気を冷え込ませる心配がありますが、
どこの国でも政策の転換は遅れるのが当り前ですから、
恐らく中国も例外ではないでしょう。
したがってすぐにも
株価が戻る環境にないことを覚悟した方が
身体にいいのではないでしょうか。
ちょっと時間がかかりそうですよ。
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