第1378回
いくら狐でも地元の蛇には敵わない

バブルがはじけて、
不動産や株が大暴落をして
日本に大量の不良債権が発生した時、
それらの不良債権や倒産会社の資産を買うために
アメリカから貪欲な投資資金が
入り込んできたことがありました。
これらの資金の中には
運よく潰れかかった銀行や
保険会社の債権債務をうまく買い込んで、
かなりの利益を稼いだファンドもありましたが、
事、志と違って思うように買取が進まず、
いつの間にか立ち消えになってしまった例も
たくさんあります。

日本人の財産や企業が
外国人の手に渡ることに
アレルギー反応を示す人たちにとっては
ホッと胸を撫でおろす結果になりましたが、
日本人の手にも負えないような財産や企業が
外国人にうまく料理できると考える方が
どうかしていると言ってよいでしょう。
一頃、日本に外貨が貯まりすぎて、
銀行がいくらでも外貨の融資をしたことがありました。
その頃、銀行からお金を借りた連中が
次々とアメリカに進出して
アメリカ中の不動産を
買いまくるような動きをしましたが、
結局は一敗地に塗れて
全面撤退を余儀なくされました。
アメリカの不動産の事情に通じない日本人が
アメリカ人の不動産屋の鼻を明かすことはできる筈もないし、
アメリカ人にはできないことでも
日本人にならできると考えることに
そもそも無理があります。

それと同じことがアメリカの不動産屋の
日本進出にもあてはまります。
日本の不動産が値下がりした理由は
日本の産業界の構造的な変化とかかわりがあります。
日本人の不動産屋が音をあげていることを、
いくら豊富な資金があるからと言って、
アメリカ人で始末がつくとは思えません。
日本人の手に負えないことは
アメリカ人の手にも負えないのが普通だし、
ましてや日本の不動産の特殊事情に通じない人が、
日本語のわかる通訳や
日本人の不動産屋を連れて歩いても
埒があくとはとても思えません。
いくら目から鼻に抜けるような
素ばしっこい狐や狸でも
地元の蛇にはかなわないものなのです。


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