第1346回
競争に打ち勝てる企業と独占的企業
株の買い方は人に教わるよりも、
自分で覚えるよりほかありません。
はじめて株を買うと、
上げ下げが気になりますから、
毎日、新聞を見ます。
すると、上げ下げにばかり気をとられますから、
ちょうど浜辺で打ち寄せる波を見ているようなものです。
「今日はバカに波が高いなあ」
「台風が近いぞ」と心配になって、
つい潮の流れを忘れてしまいます。
魚は潮の流れの中にあって、
波の中にはないのです。
証券会社のセールスマンは毎日、
波ばかりみているだけですから、
株でお金を儲けることができないのです。
新聞を見ていると、
波の高い時に限って悪いニュースが載ります。
人はいいニュースには鈍感ですが、
悪いニュースには敏感です。
とりわけ中国のような
日本人の理解をこえる証券行政が行われている国では、
政府が国有株を大量に放出するのではないか、
人民元の切り上げをやる代わりに、
付加価値税の払い戻しをやめて
実質的に輸出に課税をするのではないかと
あることないこと、噂が乱れとびます。
そのために神経を痛めつけられたのでは
中国株を持つのは楽なことではありません。
これから先、多分、日程にのぼるのは
(1)人民元の切り上げ
(2)為替の自由化
(3)A株とB株の合併
(4)関税の引き下げ
(5)中国人の海外旅行の自由化
(6)国有株の払い下げ
(7)海外からの投資に対する制限の緩和
と言ったことでしょう。
それがいつどういう形で起るかはわかりませんが、
どれが起っても
それは中国株買いに不利に働くとは思えません。
もちろん、中国は生存競争の激しいところですから、
銀行や保険からスーパーやチェーン店まで、
外国資本が入ってくれば、
競争は一段と激化します。
しかし、競争の激しいのは商人の国の特色ですから、
中国人に分がないと思うのは間違いです。
むしろ中国人同士の競争の行方を見誤らない方が大切です。
競争をしても生き残る企業、
もしくは競争に曝されず、
独占的な立場を保っている企業に
投資を集中させればいいのです。
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