第1276回
不動産より不動産株に目をつけて下さい
もう1つ、中国株投資で
頭に入れておいた方がいいことがあります。
それは中国の不動産を買うくらいなら、
中国の不動産株を買った方がいいということです。
昨今のように、
中国の輸出が大へんな勢いで伸びていると、
1日に3億ドルも人民銀行が
ドルを買いあげなければなりませんから、
人民元の過剰流動性が避けられないことは
目に見えています。
不動産の値上がりと株価の暴騰という
かつて私たちが日本国内で経験したことが
中国でも起ることが充分、考えられます。
ならば上海や北京の不動産を買えということになりますが、
前にも述べたように中国の不動産は
株価のような激しい動きをします。
その上、資本がタダという国営事業が
不動産の分野に割り込んで過当競争をやりますから、
不動産は大暴騰するかと思えば、大暴落をします。
不動産を業とする上場会社で、
ちゃんとした業績をあげているのは
深 B株にある万科企業くらいなものでしょう。
それでも不動産を買っておけば
値上がりするのじゃないと思うかも知れませんが、
中国ではマンションもオフィスも
猛烈な勢いで建てられている半面、
新しいビルが建つと
3年前、5年前に建った建物が
驚くほど見すぼらしい古い建物になってしまいます。
設備も材料も設計も見劣りするので、
借りる人にも相手にされないし、
家を買う人にも相手にされなくなるので、
昔の値段のままか、悪くするともっと値下がりをして
新旧の差がますます激しくなります。
町のいい場所にある建物とか、
設備がよくて管理の行き届いた超一流の建物以外は
投資の対象として
あまり期待できないと考えた方が正しいのです。
すると、不動産を扱っている業者は
商売にならないのかというと、
もちろん、そんなことはありません。
不動産そのものを買うよりも、
そうした不動産業者の株の方がずっと有望です。
ただそういう企業は現地の企業ではなくて
10年前から中国投資に進出した香港企業の中にあります。
中国に投資している香港企業に目を向けて下さい。
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