第1230回
先生が授業料払って学生が勉強する学校

私がライフ・スタイルを変える気を起したのは
文筆業者としての自分の役割に
限界を感じたからです。
自分ではまだ衰えていない積りでも、
世間から見たらすっかりズレてしまっているかも知れないし、
そうでないとしても、
野球選手や関取に隠退の年齢があるように、
また政治家がいくら頑張っても
選挙の票が入らなくなってしまうように、
世間に相手にされなくなる時が
必らず来るものです。

孔子にしても、
政治家として自分の売り込みができなくなると、
弟子の養成に力を入れるようになりました。
政治家としては魯の国の司冦
(法務大臣)くらいしかできませんでしたが、
孔子学校をはじめると、
「門弟三千人」と言われるように門前市をなし、
後世に名を残す世界の四大聖人の1人に
祭り上げられるようになりました。
私にもそれができると思っているわけではありませんが、
そのひそみにならうとすれば、
邱永漢学校ということになります。

邱永漢学校はいまにはじまったことではなく、
もう30年も前からやっています。
ふつうの大学とどこが違うかというと、
公立でも私立でも大学は学生が授業料を払って、
先生が報酬をもらいますが、
邱永漢学校は学生が勉強をするのに
先生の方が授業料を払っています。
それからもう1つ、
中途退学はあっても卒業がないと言うことです。
早期の学生の中には独立して
立派に事業に成功している人もありますが、
いまも私がつくった会社の
総経理(社長)をやっているのがたくさんいます。

いまからまた邱永漢学校に入るのでは、
1人前になる前に
先生の方が死んでしまっている可能性が大です。
それでもめげずに私が店じまいをしないのは、
私が死んでも事業は行き続けるし、
またそうした事業を創設することを
目標としているからです。
私は最初から名誉会長か、最高顧問であって、
事業の第一線にはおりませんから、
最初に手がけた人たちが
それらの事業を完成させればよいのです。
そういう学生をこれから募集するところです。


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2003年7月23日(水)

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