第1204回
空いた校舎と工業団地をどうします

10年前に町の眞ん中にある銀行が店じまいをしたり、
デパートの売場がガラガラ空きになることを予想できた人は
はたして何人いたでしょうか。
私が銀行が空き家になることを予想したのは7年くらい前ですが、
デパートが同じ運命に曝されると予想したのは
5年くらい前のことです。

政治家の対応は遅いだけでなく、
よく間違えるけれども、
企業も経営者が惰性でやっているところは、
気がついたら発車したあとのプラットフォームに
取り残されているところが珍しくありません。
このかん、私はこれ以上、国民の財産を目減りさせたら、
大へんなことになるから、
地価と株価に歯止めをかけるようにと
ずっと主張し続けてきましたが、
国では時価会計制度という
アメリカ以外では採用されていない
不思議な会計制度まで採用して、
これに驚いた上場企業が株売りに走ったので、
毎朝、目が醒める度に財産が
目減りするという方向にひた走りに走ってしまいました。
経済の実際がわからない人が政治をやると
こんなことになってしまうのです。

少子化によって学校が成り立たなくなり、
校舎がガラ空きになることは
そのずっと前からわかっていました。
また企業コストの安い外国に工場を移動させると、
工業団地がガラ空きになることも
20年も前からわかっていました。
でもお役人さんのやることは
経営者よりも何テンポも遅れますから、
もう誰も国内に工場を建てなくなってから、
工業団地の開発をはじめていますし、
また入学する生徒がいなくなってから、
学校を閉鎖したり、
生徒の再配置に手をつけるようになっています。
こんな調子ではトヨタとかソニーとかキャノンのような、
金儲けのうまい民間企業にいくらかで請負うか公募をして、
落札で政府の運営を決めるようにしないと、
無駄遣いがやむ日は永遠に来ないでしょう。

そんな先の先のことはともかくとして、
さしあたり空いた校舎と
草茫々になった工業団地をどう有効利用するかが、
銀行やデパートの空いたスペースをどうするよりも
一足先に考えるべきことです。
皆さんも一緒になって知恵を搾っていただけませんか。


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2003年6月27日(金)

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