第1147回
損しても文句を言わない人だけ集って下さい

もう一つ、私と一緒にシアトルに行って
コンドミニアムを買って値下がりをしたら、
私に騙されたと言って、
私と北海道拓殖銀行を訴えた人がおります。
香港のマンションを買う前のことです。
円高で日本国中の企業が
三井不動産や三菱地所や秀和も含めて
日本企業がアメリカの不動産に目をつけた時のことです。
私はロスとニューヨークとシアトルで
マンションを買いましたが、
うちの息子がシアトルでマンションを買った時に
一緒になって買った人たちのうちの一人です。

マンションが値下がりしたら、
私が拓銀と組んで自分たちを騙したといって
私を訴えたのです。
銀行が私と組むわけもないし、
銀行が時価より高い値段でお客の買った物件に
ローンをつけてくれるわけもありません。
裁判の結果は私とは何の関係もないことがわかったし、
うちの息子は一緒になって20何軒も買っていますから、
下がった時に売却して訴えた人の20何倍も損をしています。

反対に日立建機の中国投資に参加した人は
一昨年から配当金をもらうようになり、
昨年は一年で69億円も利益をあげていますから
思わぬ高額の配当に恵まれて皆とても喜んでいます。
もう一つのパシフィック・テレコムという
電話のベンチャーにはうちの息子が投資していますが、
会社が倒産してうちの息子は3億円も損をしたときいています。
そのほかに私が500万円、家内が200万円払いましたが、
これはベンチャー・ビジネスですから、
見立て違いをした自分が悪いのですから、
どこに尻を持っていくこともできません。

次々と新しい事業に投資をして行けば
はじめからおしまいまで成功というわけには行きません。
そういうなかに「儲かったのは自分の才覚で、
損をしたのは邱永漢に騙されたのだ」と
眞顔で言い張る連中も紛れ込んできますので
とても迷惑しています。
最近はそれにこりて、
「損をしても文句を言いません」
と一札とってから参加してもらうことにしていますが、
恐らくこれからも山のように新しい仕事が
持ち込まれてきますので、
どうぞその覚悟のできた人だけ来て下さい。


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2003年5月1日(木)

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