第1108回
老人向きサービス業全盛時代になります

老人というのは若い人がそのまま年をとっただけですから、
若い人が関心を持っていることは一通り経験しています。
従ってその延長線上にある生活を
もっと上手にこなそうという意欲は持っています。
平均寿命が延びた分だけ老齢期が長くなっていますから、
その部分を豊かにしてくれるモノやサービスには
喜んでお金を払う人は少なくはないと思います。

モノのありあまっている時代ですから、
モノで老人たちを満足させることは難しいかも知れません。
ファッションはかなりの努力を要しますが、
同じ物でも自動マッサージ機や車椅子や簡易エレベータは
いまの時代にあっているでしょう。
血圧計や血糖値をはかる装置だって
一家に一台売れただけで高利益の会社が何社も発生します。

しかし、老人マーケットの主流は
何と言ってもメーカーよりはサービス業です。
元気な間は旅行も飲食も選別の対象だし、
デパートの食品売場で高級品の方が客足が早いのも
どうせそんなにたくさん食べるわけでないのに
ケチケチしていてもしょうがないという
年配者の心理が働くからです。
それが健康を害したり、一人歩きができないようになると、
介護が中心となったサービスに変わります。
介護に従事している上場企業のいくつかが
長い間の赤字経営から一転して黒字化してきたのを見ても、
老人たちのストックが流れを変えて
どっちに向って動いているか、大体の見当がつきます。

寝たきり老人の世話をするだけが
老人マーケットではありません。
寝たきり老人の数よりも、
寝たきりにならないで
自分の二本の足で歩ける人の方がずっと多いのです。
元気な間にやりたいことはやっておきたい、
行きたいところには行っておきたいと考える人もあれば、
いつまでも元気でいるためにはどうしたらよいか、
それをやるための健康管理に
お金を惜しまないという人もおります。
老人向きのサービス業は全盛時代に入りかけています。


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2003年3月23日(日)

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