第1096回
年寄りは皆、年寄りの新人です

若い人から見ると、年寄りは昔から年寄りみたいに見えますが、
年寄りは昔から年をとっているわけではありません。
年寄りは皆、はじめて年をとる年寄りの新人なのです。

60才で定年になったとしたら、
定年になるのもはじめての経験なら、
60才になるのもはじめての経験なのです。
人が60才になったのを見ても他人のことですから、
60才になったら、身体がどうなって、
どんな考え方をするようになるかはわかりません。
親やまわりの人が年をとるのを見て、
まあ、こんなことだろうなと大体の想像はつきますが、
自分が実地に体験するわけではありませんから、
全くもって理解がないと言ってもよいのです。

60才の人が70才になるともっと年をとります。
すると長く年寄りを経験しているから
年寄りのベテランだと思いがちですが、
本人にとってははじめてなる70才ですから、70才の新人です。
同じように80才になっても80才の新人だし、
90才になっても90才の新人です。
いくつになっても新人ですから
新人としての好奇心を失わなければ、
人生はいつも新鮮な筈です。
でも或る年齢になると、前を向いて進むより、
うしろを向いて過去の光景を眺めながら
後ずさりをする姿勢に変わってしまうので、
変化のない景色の中を生きることになるのです。

私は人間が年をとるのは避けられないにしても、
年寄りの新人として
好奇心をもって生きることを心がけてきたので、
いまも自分がそんなに年をとったという感覚はありません。
「話をしていて何回でも同じことをくりかえす」、
「孫の自慢をする」、「毎日、同じ服を着ている」、
「昨夜の残りをもったいないと言って食べる」といった
年寄りにありがちな習慣はできるだけ避けてきましたので、
まだ少しはましだと思っていますが、
銀行からお金を貸さないとか、
バスをタダで乗せてやると言われるとやっぱり駄目ですね。
だれか年寄り扱いしないで
仲間扱いしてくれる若い人はいないものでしょうか。


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2003年3月11日(火)

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