第1088回
南海泡沫会社にお金を捨てに行きませんか

新しい儲け話があって、もしかしたらと心のときめく時は、
すぐにその全貌を知りたいと思って走り出します。
自分と秘書だけを伴って行くこともありますが、
関係のありそうな人や一緒に出資してくれそうな人を
誘って行くこともあります。
賛成してくれる人がいなくとも
自分だけがどうしてもやりたい場合は
捨てた積りで全額自分で出すこともありますが、
一口5百万円とか、1千万円とか、
20人、30人で共同出資をすれば何とか物になりそうな場合は
一緒に出かけていった皆さんの出資を仰ぐこともあります。

たとえば石油のオリを分解して油と砂に戻す装置は
1セットで5千万円くらいかかります。
ほかに運賃や取り付けをして稼動できるまでのお金が
3千万円くらいかかります。
その会社としてはそういう装置をつくって
発注先と共同経営することになりますから、
もとより1台ですむわけもありません。
さしあたり3台や4台設置するとすれば
2億円や3億円はすぐにもかかってしまいます。

それくらいのお金は大企業にとっては
取るに足りない小さな金額です。
でも大企業は自分らの計画した投資には
その何十倍ものお金を出しても、
よそから持ち込まれたプロジェクトには鼻もひっかけません。
ですから、もっと胆っ玉があって、
万一失敗しても海の中に5百万円か1千万円投げ込んだ積りで
あきらめることのできる人を集めることになります。

つい最近も新しい流通業のために2億円必要になりました。
だれが見ても大丈夫そうな事業だったので、
必要なお金はすぐに集まりました。
でも今度は石油の雲行きも怪しくなってこの先、
どうなるか見当もつかない難しい時期にさしかかっています。
それでも操業の現場を見たら、いいか悪いかくらいの
判断はつくでしょう。
マレーシアの現場まで行ったついでに、
タイかベトナムまで足を伸ばせば、
東南アジアの投資視察旅行に行ってきたことになります。
そういう有志を募ります。
ご一緒いただける方は邱永漢アジア交流センター
(03−3400−9393)にご連絡ください。
参加希望が何人かあれば、すぐスケジュールを組みにかかります。


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2003年3月3日(月)

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