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第1086回
懲りない人とは誰のことでしょうか
成都のショッピングセンターができた時、
東京の「肉のハナマサ」の焼肉店は
行列ができるほど繁盛していたので、
ハナマサの社長さんに指導していただいて、
ハナマサの焼肉店を成都につくりました。
食い放題で人民元一人前48元でスタートしてましたが、
いままでになかった店なので
毎日毎日行列ができて大へんな賑わいでした。
この調子ならちゃんとやって行けるのではないかと
喜んだのも束の間、人の店が繁盛しているのを見ると、
眞似るのは電光石火、
たちまち周囲に何軒も似たような店ができて、
38元で挑戦してきました。
中国人は価格に敏感ですから、
素材が悪かろうが、店のつくりが悪かろうが、
あッという間に安い店にお客をとられて閑古鳥が鳴きます。
やむ得ずこちらも38元に値下げをしたら
やっと少しずつお客が戻ってきましたが、
儲けは値下げした10元の中にあるのですから、
只働きをしているようなものです。
また宇都宮のギョウザ製造機械を持ち込んで
本場の人海戦術に挑戦したのですが、
人海戦術にはどう頑張っても太刀討ちができず、
一日に十万個できる自動機械が
ほこりをかぶることになってしまいました。
やっぱりこんな機械は
日本に製品を輸出する食品工場に持ち込んで、
ユニクロ方式で日本の市場で一暴れする以外に
方法はありませんね。
というわけで、中国人の社会で
商売をやって生き残るのは容易なことではありません。
私が中国人が簡単に眞似のできるビジネスを
中国でやったらひどい目にあいますよと言うのは、
私自身が高い授業料を払わされて
さんざんな目にあわされているからです。
ならばもう懲りたかというと、
少し傷口が癒えて痛みがうすらぐと、
すぐまた次のことを考えます。
いまに原油が50ドルになったら
オイル・サンドの開発を考えなければならなくなるぞ
と考えるのは私ひとりの早とちりなんでしょうか。
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