第1079回
石油が50ドルに達する時が来るかも

デフレの風が中国大陸から吹きまくっていると言うけれど、
中国の工業化が大へんな勢いで進んでいるおかけで、
日本の対中国輸出は日本の貿易黒字幅を
大きくするほど成長しています。
去年一年の日本の対中国輸出は3割もふえており、
素材や半製品の生産財が主流を占めています。
しかし、それを加工して完成品とした家電製品や
事務用機器や電子部品が次々と日本に輸入されていますから、
日本のメーカーから見たら、
日本の物価を押し下げているのは
中国だということになります。

このままの状態が続くと、
日本は更に一段と不況になるおそれがあるので、
インフレを目標とした政策を打ち出すかどうかで
政府の意見が分かれています。
これに似た状況は1929年の世界大恐慌のあとにもありました。
ルーズベルト大統領がニューデイル政策をはじめ
さまざまの梃子入れをやったのですが、
見るべき効果がなく、最終的には日本海軍が真珠湾を奇襲して
第二次世界大戦がはじまるまで恢復はできませんでした。
「大破壊がないと景気恢復がない」というなら
「いっそ戦争をやったら」というこそこそ話もきかれます。
それを裏づけるかのように9・11のテロが起り、
イラク問題と北朝鮮問題がそのあとに続いております。

戦争は即発の寸前にあるかに見えるし、
その結果がどうなるかについては
予断を許さないものがありますが、
假りに即戦即決で終わったとしても、
また終わらなかったとしても
世界景気を全面的には押しあげるだけの
破壊力にはならないでしょう。
しかし、世界的な不協和音が続くなかで、
金相場と石油相場が大きなうねりを見せていますから、
世界的なデフレの中で、
石油の価格が1バレル当り50ドルをこえる
第三次石油ショックが発生することがないとは言えません。
ヴェネズラの動き、ロシアの思惑などを考えあわせると、
原料高の製品安という空前のピンチが
世界を混乱におとし入れることが考えられます。
いまよりもう少し悪い状況になりそうですね。


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2003年2月22日(土)

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