第1074回
チェーン・レストランに選手交替の時期

安売りのレストラン・チェーンが多くのお客を呼ぶのは
値段が安いからです。
そういう店を経営して成功している人は
「安ければお客は入るものだ」と堅く信じています。

そのことに多分、間違いはないでしょう。
でもみんなで安売りをして、
安売りの料理を供給する人が
安売りの料理を食べに来る人より多くなったら、
安売りの商売もうまく行かないようになるでしょう。
同じ安い料理でも、うまくなかったり、
サービスが悪かったりしたら、
お客は寄りつかなくなります。
ですからチェーン・レストランも
お互いに生き残り作戦をやるようになったら、
いままでやらなかったことや
やれなかったことをやるよりほかなくなります。

私は安売りレストランの常連ではありませんが、
安売りレストランがどうしてあんなにハヤっているのか、
その実態を知りたくて、時々お客になることがあります。
料理は家庭料理に毛の生えた程度だが、
女性の客を大事にして一人で食事に来た女性のテーブルには
決して相客を坐らせないように気をつかっている店もあれば、
コックに払う給料を節約するために、
アルバイト学生だけで間に合ってしまう料理を
セントラル・キッチンから運び込んでいる店もあれば、
材料を切り刻むのまで外注に出して
肝心の料理は一切、お客任せにしている店もあります。

そのどの一つをとっても共通していることは
安いことと味に神経を使っていないことです。
料理屋をチェーン組織まで育てあげる人は
経営には熱心だが、味の研究には
さほど熱心な人でないことがわかります。
安売りだけでは駄目だと言うことになったら、
もう少し味をよくするか、
でなければ安売りをしなくても
商売が成り立つように経営方針を変えるか、
ということになります。
実際にもそういうことが
食べ物の世界で起ると私は見ています。
その結果、チェーンではやって行けないということになれば、
それでもいいのじゃありませんか。
また選手交替の時が来ているということになります。


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2003年2月17日(月)

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