第1009回
台湾と大陸で経済が一足先に統一へ

11年前に小平が改革開放政策を宣言して、
外国資本の導入に道をひらきました。
その更に12年前に広東省と福建省の四つの地域に
経済特区を設立して、
外国資本と華僑資本の誘致に力を入れています。
台湾の政府は大陸との政治談判が一向に進展しないので、
台湾企業の大陸進出には消極的で、
上場企業が大陸に投資することを禁じていましたが、
台湾の人たちが台湾から香港に送金し、
香港から大陸に投資することを禁ずることができませんでした。

台湾は一足先に為替の自由化に踏み切り、
1人当り年に500万米ドルまで海外に送金できたので、
実質的に海外送金は自由化されていました。
目端の効く企業家や既にコスト高に悩んでいた労働集約型産業は
先を争って大陸に進出し、
最近になってIT産業が大挙して大陸に工場を建て、
上海と深周辺には台湾村どころか、
台湾の子弟のための学校までつくられております。
近年、中国の対米貿易の黒字が月によっては
日本のそれを超えるようになりましたが、
恐らく対米輸出の原動力になっている生産工場のかなりの部分が
台湾資本によるものと考えていいでしょう。

かつて台湾から直接アメリカに輸出されていたのが
大陸に工場を移して大陸で生産して
アメリカに輸出するように変わったので、
その設備と部品や半製品を台湾から大量に
大陸へ持ち込むようになったために、
台湾大陸間の貿易額が急速に伸びて
年400億ドルを越えるようになり
台湾の海外貿易の1位になったばかりでなく、
年200億ドルの貿易黒字を台湾にもたらしています。

両岸の政府の話し合いがつかず、
交渉はデッドロックに乗りあげたままですが、
経済の方は経済の原則に従って
お金の儲かるところにお金が怒涛の勢いで動いたので、
一足先に実質上の統一に向っています。
台湾の資本と技術と人材が
中国の経済成長に大きく貢献しているし、
そのおかげで台湾の資本も台湾海峡をこえて
活躍する舞台ができるようになったのです。


←前回記事へ

2002年12月14日(土)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ