第1001回
日本以外の所はすべて外国です
外国に働きに行くのはいいとして、
「センセイならどこを選びますか、やっぱり中国ですか」
とよくきかれます。
私の答えは中国とは限りません。
中国もその中の有力候補ですが、
縁あってあなたが行くことになった
日本以外の国はすべて外国です。
なぜ外国がいいかというと、
日本で育ち日本語しか知らない日本人は
日本の風俗習慣しか知らず、
そうした固定観念で頭の中が一杯になっているからです。
商売も学問も固定観念の打破からはじめます。
固定観念を打ち破らないと、
新しい道はひらかれないのです。
「江戸ッ子は三代続かない」というのも、
「自分の生まれ育った土地では大をなさない」というのも、
固定観念が人間の進歩の躓きの石になるからです。
その点、自分の知らない土地に行くと、
その土地の人たちの固定観念のおかしさに気がつくし、
むしろ逆に自分たちが日本にいて
当然と思っていた考え方が役に立つことがしばしば起ります。
それはアメリカであっても、インドやアフリカに行っても、
同じように起ります。
だから自分の見知らぬ土地でさえあればよいのです。
少し前までは地方の人が東京や大阪に出てきて、
数々の成功物語を残しています。
逆に都会の人が地方に行って成功した例もたくさんあります。
でもそういう交流は一通り終わって、
これからはグローバル化によって
もっとスケールの大きな交流の時代に入ろうとしています。
世界中の人がアメリカに押しかける時代もありましたが、
いまはアメリカに行っても
お金の儲かるチャンスは少くなりました。
身体を動かして賃銀を稼ぐのなら
低所得者の国の人にとっては魅力があるでしょうが、
資本と頭脳を働かせて稼ごうと考えている人にとっては
何と言っても経済が成長過程にあって
お金の儲かる地域ということになります。
中国はその中の一つであることは間違いありません。
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