第992回
思ったことはすぐやることです

人から話を持ちかけられた時、
やるかやらないかは
なるべくその場できめるようにしています。
とりわけ断れる場合はできるだけ早く意思表示をします。
というのもイエスともノーとも言わずに愚図愚図していると、
相手はあきらめられずにいつまでも期待に胸をふくらませて
無駄な時間を送ることになってしまうからです。
断わる場合はなぜ断わるかという理由をはっきり言って、
その時は相手の気分を害することがあるかも知れませんが、
結局はそれがお互いのためになります。

反対に、引き受ける積りの仕事なら、
多少返事が遅れてもかまいません。
「果報は寝て待て」と言いますから、
少々またせても喜んでもらえるからです。
でも私は人から持ち込まれた話でも、
自分が思いついてやる仕事でも、
なるべく宿題として残さないように、
すぐその場で実行に移します。

私がインターネットの話をきいて
「じゃ、やりましょう」と言うのに15分はかからなかったと
糸井重里さんが言っていましたが、
「やりましょう」と言った翌週から
「もしもしQさんQさんよ」がはじまって、
今回で992回になりました。
「ほぼ日刊イトイ新聞」という名前のホーム・ページでしたが、
私は雨の日も風の日も1回も休んだことはありません。

もう二十何年も前のことですが、
時の日販の国際部長さんが
「台湾で日本語の本が売れるようにしたいのですが、
力になっていただけませんか」
と頼まれた時も、すぐその場で承知して
台湾の日本語の本屋を十何軒もつくってさしあげました。

何でもいいと思ったことは
すぐにやる習慣を身につけましたので、
駆け出すのも早いけれど、
ゴールに辿りつく前にへたばるのも人後におちません。
でもすぐやる習慣を身につけたおかげで
人の何倍もの距離を走り、人の何倍もの経験を積みました。
「あなたの人生のモットーは」ときかれたら、
「思ったことはすぐやることですよ」
と答えることにしています。


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2002年11月27日(水)

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