第986回
外国では特に昔の職場を大事にして下さい

会社から派遣されて外国に行った人が
会社を辞めて現地ではじめた仕事は
どんなものか調べて見ると、
会社と全く無縁な仕事であることは滅多にありません。
自分がやっていた仕事の延長線上の仕事とか、
会社に納入されている部品を扱う仕事、
もしくは会社が売り込んでいる商品を扱う仕事と
かかわっています。

そういう仕事をやろうと思えば、
つとめていた会社と喧嘩別れというわけには行きません。
かつての上司の覚えもめでたく、
「お前がやるのなら手つだってやろう」
と応援してもらう場合も少くありません。
会社のご用聞きのような仕事からはじまって
次々に大きくなり、現地の日本企業を
代表するようなスケールになった人もおります。

逆に昔いた会社で覚えた事業を
外へ出てやって大きくなった人もおります。
そういう場合でも、
昔、恩になった会社の邪魔にならないように神経を使う人は、
同じ商売なら適当に距離をおくとか、
もとのお店のお客をとらないようにするとか色々工夫をします。
そういう人は人に誉められても、
人に恨まれることはあまりありませんから、
やっているうちに仕事も大きくなるし、
日本人仲間の顔役にもなって行きます。

これはもちろん、外国だけで起ることではありません。
どこの世界にいても一生を
一つのところでつとめて終わるわけではありませんから、
勤め先を変えたり、仕事を変えたりします。
古い職場をやめて次の仕事に移る場合、
だらしなく辞めたり、
喧嘩別れをして辞めたりする人もあれば、
惜しまれて辞める人もおります。

前者は辞めたらそれっきり昔の古巣とは関係がなくなりますが、
後者は昔の人たちと関係が続き、
知らないことがあっても
昔の同僚にきくことができますから、
交流範囲が拡がれば拡がるほど
使える資本が大きくなって行きます。
外国で仕事をやる場合は
とりわけこうした資本が物を言いますから、
どうか古い職場を大事にして
人間関係をうまくつないでください。


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2002年11月21日(木)

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