第974回
ミシュラン三つ星のレストランとは
フランス料理の料理人にとって一番の励みになるのは
何と言っても、ミシュランのガイド・ブックで
星をもらうことでしょう。
星は一つから最高は三つ星までですが、同書の解説によると、
一つ星は「等級内では大変おいしい料理」
二つ星は「素晴らしい、寄道の価値あり」
三つ星は「最上の料理、出かける価値あり」
と言うことになっています。
星をもらうと、店の名前のすぐあとに
シェフの名前も載りますので、一躍有名にもなるし、
食いしん坊もたくさん集まってくるので
商売もよく繁盛するようになります。
フランス料理の道を選んだ以上、野心のある料理人なら
三つ星を狙うのは当然のことでしょう。
但し、それは決して容易なことではありません。
フランス中、数えあげても2002年版では18軒しかありませんし、
ほかにベルギーに2軒、イタリアに3軒、
スペインに3軒、スイスに2軒、イギリスに1軒、
あわせて11軒しかありません。
星の数は料理のうまさを示すもので、
値段の等級ではありませんから、
星が少なくても値段で負けていない店も結構あります。
ですからどうせ行くなら三つ星の方がよいと考えて、
ヨーロッパに行く時は、なるべく三つ星の店に
食事に行くことにしています。
でもこれらの店は「わざわざ食事のために
遠くから行くだけの値打ちがある」だけに、
いつも満員で、2ヶ月も前に予約をしないと
席がとれないことがしばしば起ります。
今回の旅行でも、スイスのローザンヌではフィリップ・ロシア、
フランスのアネシイではオーベルジュ・ド・レリダン、
ヴォナスではジョルジュ・ブラン、
パリではピエール・ガニエールとアルページの5軒を予約し、
予定通りに5軒共こなしてきました。
ほかは復活のめざましいグランベフールには
是非行きたかったのですが、
2ヶ月先までぎっしり詰っていますと言われて、
残念ながらそのチャンスがありませんでした。
私が前から気に入っていたジョルジュ・ブランは
お客のふところ具合を考えた控え目な値段でしたが、
ほかの4軒ともワインを入れて1人あたり300ユーロ
(1ユーロ120円)か、それを少し上まわるお勘定でした。
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