第917回
ペイオフなんかやめたらどうですか

ペイオフに対する政府の方針はまだはっきり決まっておりません。
銀行がつぶれた場合、
1人当り1つの銀行で1000万円とその利息分は政府が保証する
というようなことを言っていましたが、
ここへ来て無利息の預金に対してだけ全額、政府が保証する
という意見が有力になってきたと新聞は報じています。

普通預金なら政府が保証をし、
定期預金は保証しないというのもおかしな話ですが、
雀の涙ほどの預金利息でも
利息をもらっている預金に対してなら保証をしないで、
無利息分なら全額保証するというのもおかしな話です。
また一行につき1000万円まで保証するから、
一行1000万円ずつと分けて違う銀行に分散して預金しなさい
と促すのも理屈にあわない変な政策だと思いませんか。

地方の小さな銀行はもともと脆弱な基盤の上に立っていますから、
政府の規定次第では1000万円以上の預金は
すべて引き揚げられてしまう可能性があるし、
うっかりあらぬ噂を立てられたら、
保証されている1000万円以下のお金だって
一せいに引き揚げられてしまう心配があります。
どんな大銀行だって
あらぬ噂を立てられて預金に一せいに逃げられたら、
日銀が紙幣を運び込んでくれない限り、
存続することは難しいでしょうね。

ですから、なまじペイオフを実施すれば
どの銀行も預金者から不信の目で見られるようになり、
金融業界はいま以上に不安定な状態におちいってしまう可能性があります。
ただでさえ疑心暗鬼の目で見られている銀行を
更に不安定な状態に追い込むことは得策であるとは到底思えませんから、
これまでと同じように預金は全額保証で貫くのではどうでしょうか。

どうせ政府が保証したとしても払うお札は印刷した紙切れだし、
少々たくさん印刷したところで
ふえた分はそっくり退蔵されて物を買いに出動しませんから、
待望されるインフレを来たす効果すらないでしょう。
アメリカの真似をしてペイオフをやることなんか
やめた方がいいんじゃないでしょうか。


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2002年9月13日(金)

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