第895回
青汁の時代はすぐにすぎてしまいます

デフレが続くと、コストダウンをはかる工夫と
値下げをしなくともよく売れる新商品の開発が
商売をやる人の重大な課題になります。
どちらが重要かというよりは、
できることからドンドンやって行くということでしょう。

ファッション商品は
開発しはじめたはしから古くなって行くので、
次々と新商品を開発して行かなければなりませんが、
食料品になると、健康食品も含めて、
くりかえし食べたり飲んだりしますから、
1つヒット商品がでるとそれが定番になってかなりの間、
メシのタネになってくれます。
味の素とか、キューピー・マヨネーズとか、
カゴメのケチャップなどは
その代表と言ってよいでしょう。
むろん、これらの会社は
次々と新商品の開発にいそしんでいます。
でもその基礎を築き、
会社の代名詞になった商品を凌駕する
新商品にぶちあたることは滅多にありません。

たとえば、青汁という健康飲料を看板にして
いくつかの会社が株を上場するスケールまで成長しました。
「まずーい」としかめっ面をするテレビ広告で人気を得て、
多くのファンをつくりあげ、
そのトータルの売り上げは
年間、300億円とも400億円とも言われています。
いまの時代にこれだけ伸びたということは、
老齢化社会と飽食時代が重なり合って
新しい需要を生んだ何よりの証拠です。

しかし、よく考えてみると、
青汁という単一商品で
老齢化と飽食の時代を独占できるわけがありません。
コーヒーや紅茶のほかに
最近ではハーブ茶もブームになっています。
健康に焦点を合わせるなら、漢方には四千年の歴史があり、
中国大陸はその宝庫と言ってよいでしょう。
私はそういう観点から
新しい健康飲料を狙う企業家と一緒に
成都の漢方薬材卸売市場まで出かけて行きましたが、
そのスケールの大きさには肝をつぶしました。
何千坪という広い敷地の
遥か向こうまでずっと薬材の卸売店が並んでいるのです。
あれを見ると、
日本が青汁だけの市場である時代は
すぐすぎてしまうだろうと思いました。


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2002年8月22日(木)

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