第891回
グローバル化による安売りの空間あります。

繊維や靴や鞄以下の日用雑貨になると、
特定の高級品やファッション製品などの
有名ブランド商品を除けば、
年と共にコストの安い地域でつくられた物が
市場に氾濫することになるでしょう。
もう既にそういう商品が乱売の先頭を切っています。
かつてアメリカのデパートや
スーパ−のワゴン車で売られていたのと同じ現象が
日本でも起っているのです。

安売り商品は安いだけでは消費者の購買欲をそそりません。
現地で生産して日本の最終消費者に届くまでに
少くとも3倍の価格差がありますから、
この流通過程をうまく確保すれば利益があがります。
そのためには日本の消費者がどんな物を求めているか
うまくキャッチしなければなりません。
現地に発注してファッション製品を輸入している
日本のメーカーは
誰だってそういうことに神経を使っています。

そうした分野で一番際立った成功をして話題をさらったのは
ユニクロでした。
日本の消費者のセンスに合ったデザインを日本でやり、
それをコストの安い中国に委託加工させたので、
生産から流通までの全過程を稼ぐことができました。
売り上げに対して25%という利益を計上できたのは、
グローバル化の過程にこういう大穴があったことを
私たちに教えています。

しかし、デフレの時代になっても、
インフレの時代と同じように
競争の原理が支配していますし、
むしろ競争は更に激甚になっていますから、
同業者が指を加えてジッと見ているわけがありません。
また一社で4000億円も売れれば、
フレッシュさが失われることは免れられませんから、
お客にあきられるということも起ります。
すると、どこかで必ず頭を打つ時がきます。
私はそれを3000億円とご本人にも言いましたが、
実際には4000億円のところでした。
それでもそこで一つの金字塔を立ち上げたのですから
大したものです。
雑貨の分野ではこれに似たチャンスは
まだまだ残っていると考えていいでしょう。


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2002年8月18日(日)

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