第840回
値切る楽しみならラサのバルコルで

ふりかってみると、チベットは私にとって
生きている間にどうしても
1回は行ってみたいところでした。
念願がかなってチベットの土を踏んで見ると、
人類の歴史の古い絵巻を見終わったような気持ちになり、
改めて私たちは昔の人よりもずっと
いい時代に生まれたことを感謝していいのではないか、
とほッとしているところです。

それでもチベットは西部大開発の地域の一部だし、
道路の補修もされていますし、
また観光客も確実にふえています。
私たちがラサ入りをした飛行便にも
別の日本人ツアーが同乗していました。
私を見つけた人が
「あの人、ホンモノの邱永漢サンですか」
と私たちの旅行団の人にきいていたそうです。
チベット入りはまだ個人には認められていませんが、
チベットを目指す世界中のツーリストは
ふえる方向にあります。
その上に国内旅行をする中国人が加われば、
チベットは観光地としてお客の呼べる地域になることは
間違いないでしょう。

しかし、高山病をおそれる人がうんといますから、
それらの人にも安心して来てもらうためには、
高山病にならないクスリか、
装置を工夫する必要があります。
ラサに行くと、高山病にならないための漢方薬が
たくさん売られていますが、
色んなクスリが売られているということは
風邪のクスリと同じように
特効薬がないということでしょう。
「必要は発明の母」と言いますから、
高山病の特効薬を発明したら、
チベット一の大金持ちになることは
これまた間違いありません。

ラサで面白かったのは俗に大昭寺という名前で知られている
ジョカンの周囲を取り巻くバルコルと呼ばれる
露店でのショッピングでした。
ガイドさんから何でも言い値の半分以下に値切りなさい、
50元以上お金を払ってはいけませんと注意されましたが、
何を聞いても120元からはじまって、
30元になったものもあれば、
25元になったものもありました。
ヤクの骨に彫った佛像のかなり精密に仕上げたものが
最終的に1対で20元になったのには
こちらも驚いてしまいました。
やっぱりラサは一ぺんは行って見るところですね。


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2002年6月28日(金)

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