第697回
いまは中国で不動産投資を考える時

日本人も中国人も、不動産を大切な財産と考えています。
不動産だから動かないと思うのは間違いで、
土地神話が長く信奉されてきた日本でも
昨今は地価が値下がりして、
借金して不動産を手に入れた人々は
ひどい目にあってしまいました。

中国でも日本人に負けず不動産を大事にしますが、
土地でも住宅でも株価と同じくらい
上がったり下がったりします。
上海でビルを建てているうちに、
家賃が10分の1まで下がった話をしましたが、
ビルやマンションを分譲で買った人は当然、
値下がりの影響を受けます。
私と一緒に中国大陸に行って
景気のいい時分に不動産投資をした人は高値の時に比べて
財産が半分になってしまいました。

ローンで買った人は元金が吹っとんで
ローンに見合う財産しか残っていない勘定になりますが、
家賃収入がある限り何とかローンは払って行けるし、
現金で買った人なら家賃収入が安くなっても、
日本でゼロに近い金利で定期預金をしているよりは
ずっとましですから、
ガマンをしているうちに不動産がブームに
再びめぐり合うことも考えられます。

そういう意味ならば、
不動産は安くなった時に投げるよりも、
むしろ安くなった時こそ買いに出る時です。
北京は不動産の値段も家賃もあまり下がりませんでしたが、
上海は外銷房(外国人向けマンション)と
内銷房(中国人向けマンション)の
区別をしなくなってから、
外国人でも安い内銷房を買えるようになり、
マンションの値段も家賃も一段と値下がりしました。
早くに上海でマンションを手に入れた人にとっては
災難でしたが、これから投資をする人にとっては
むしろ福音でしょう。
家賃から賃貸管理費や税金を支払ったあとの手取りが
8%にまわる(利廻り)物件もありますから、
せっせと貯めたお金を銀行に遊ばせておくよりは
ずっとましだと思います。
そういう現場を見るためにも大陸視察団に参加して
一ぺん自分の目で見ることをおすすめします。


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2002年2月5日(火)

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