第616回
功献できる人だけが異国で生きられる

金持ちの国から貧乏な国への出稼ぎは、
貧乏な国から金持ちの国への出稼ぎとは違います。
貧乏な国の人は出稼ぎに行く時は身一つで行きます。
シャツやパンツを詰め込んだとしても、
スーツケースが1つあれば足りてしまうでしょう。

お金を稼いで国へ帰る時は、きた時とは違います。
一生懸命働いて、
使いたいのもガマンをして貯め込んだお金を、
予め送金してある場合もあれば、
現ナマをしっかりふところにしまい込んでいる場合も
あります。
どちらにしても、帰る時は身内にあげるお土産や国では
手に入らない電気製品や家庭用品は
買えるだけ買い込んでいますから、
荷物がオーバーウエイトにならなければ儲け物です。

しかし、金持ちの国から貧乏な国への出稼ぎは
引越し荷物からして税関を通るのに特別の証明が要ります。
犬や猫まで連れて行く人もいます。
文明国の人はシンプル・ライフとは
程遠い生活をしていることがわかります。

それでも貧乏な国で歓迎されるのは、
貧乏国に富をもたらす存在だからです。
事業を起すために来る人は、
少なくとも資本にするお金と物をつくる技術は
持って来てくれます。
それをうまく組み合わせて付加価値をつくり出すプロセスで
人を使いますから、
現地に雇用のチャンスをもたらします。
帝国主義時代と違って
どこの国でも先進国からの人を歓迎するのは
「福の神」だからです。

資本も技術も持たない若い人でも、
発展途上国の人の持っていない発想や着想は持っています。
富を生む国の雰囲気の中で育っているからです。
そういう頭脳が新しい付加価値を生む原動力になるのです。
もしそれもなければ、
そもそも発展途上国で生きてはいけないでしょう。
いや、そういう人は
外国へ出て行こうという気を起すことすらないでしょう。
だから金持ちの国から貧乏国への出稼ぎが成り立つのです。
発展途上国に貢献できる人だけが
発展途上国で生きて行けるのです。


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2001年11月16日(金)

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