第606回
ビル・ゲイツより金持ちになる人は誰?

方正(ファウンダー)の研究所を見学に行ったのと
同じ午後に、
これまた北京大学の
バイオテクノロジーの研究室から誕生した
北大未名生物城というバイオのセンターを訪問して、
北大教授で、
この生物工程集団の総経理である潘愛華博士から
詳しく中国のバイオの現状の説明をしていただきました。

実は前日に中国のバイオの第一人者でもあり、
北京大学の副校長でもある陳韋良博士に
はじめてお会いしました。
28才で北京大学の教授になるという
記録破りの学者ですが、とても気さくな人で、
「ビル・ゲイツを凌ぐ大富豪になる人は
 北大の陳博士だとアメリカで専ら噂だと
 香港の新聞に書かれていましたよ」
と言うと、
「いや、そんな新聞は読んでいません。
 この通り大学の貧乏教授ですよ」
とにこやかに笑っていました。

陳博士が董事長、潘博士が企業化の推進役をつとめる総経理
というコンビでスタートしたのがこのバイオ・グループで、
と厦門の工場は既に稼働をはじめ、
北京中関村にあるこの総本部の工場も
この11月から稼働に入ることになっています。

バイオは将来の中国の食糧問題を解決する鍵になる
重要な分野の学問ですが、
さしあたりインターフェロンやインシュリンなどの
薬品から着手したのは、
薬品が最も高価に売れる分野だからです。
恐らく現在、科学技術で合成される値段の
30分の1の値段で販売しても充分採算に乗り、
上場したら1元の株が100倍になるでしょうと
説明を受けました。

工業はイギリスから、
また情報産業はアメリカからスタートしたが、
2020年からは生物経済の時代に入る、
その時代はどこがリーダーになるのでしょうかと
疑問符のついた話でしたが、
もしかしたら自分たちではないかと言いたげな表情でした。
中国のニュー・ビジネスの中でも
最も注目に値する動きに直接タッチできたのは
今度の視察団に参加した人たちの
大きな成果の1つでしょう。


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2001年11月6日(火)

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