第552回
言葉の障害を乗り越えましょう

文化の交流が双方向性のものであるという
一番わかりやすい例が言葉です。
外国人とつきあう場合、最大の障害は言葉の壁です。
意思を通じ合うためには、
どちらかが相手の言葉を喋るよりほかありません。
普通は力の弱い国の人が力の強い国の言葉を覚えて、
向うの都合に合わせます。

たとえば、外国語の下手な日本人が
英語やフランス語やドイツ語を覚えました。
留学に行く場合も、また商品の売り込みに行く場合も、
日本人の方が相手の言葉を覚えたものです。
日本人は外人さんは日本語を喋れないし、
また覚えようとしないものだときめてかかっていました。
だから日本人より上手な日本語を喋る
アメリカ人やイギリス人に出会うと、
面食らってしまって、
「へんな外人さん」とびっくり仰天したものです。

白人に対してそういう先入観を持ってしまったせいか、
日本人はアジアの人々に対しては
一段と見下したような態度をとり、
中国語も韓国語もマレー語もタイ語も
ろくに覚えようとしませんでした。
相手の方が覚えてくれるものときめてかかっていたのです。
日本人が東南アジアに行って工場をつくったり、
デパートをつくったりして、
現地の人たちを使う立場に立てば、
財布の紐を握っているのは日本人ですから、
月給をもらう方が日本語を覚えさせられるのは
自然の勢いでしょう。
日本語がわかれば重宝されて、
月給も倍になりますから、
言葉を覚えることは収入をふやす道につながるのです。

私が早くから台北に日本語学校をつくり、
いまも北京と上海に次々と分校をふやしているのは
若い人たちに
収入の道をふやしてあげようという意図があるからです。
しかし、これらの学校で現地に駐在している日本人に
中国語を教える個人教授も同時にやっているのは、
中国人に一方的に日本語を覚えさせるのでは駄目だと
認識している日本人の必要にこたえるためです。
言葉を覚えることが人に親しまれる第一の条件なんです。


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2001年9月13日(木)

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